切り立った崖にかかる雲、立ち込める霧、滝飛沫、立ち上る湯気。
この地はかつて、アイヌの人々に「神々の遊ぶ庭(カムイミンタラ)」と称された、神秘と自然が溶けあう場所。
人若し余に北海道の山水を問えば、第一に大雪山を挙ぐべし。次に層雲峡を挙ぐべし。大雪山は頂上広くして、お花畑の多き点に於いて、層雲峡は両崖の高く且つ奇なる点に於いて、いづれも天下無双
今から100年前、明治の詩人大町桂月によって「層雲峡」という地名は名付けられました。大雪山の麓にある層雲峡は、断崖絶壁を流れ落ちる多くの滝があることから、アイヌ語の「ソウウンベツ(滝の多い川)」をヒントに命名されたと言われています。
川の流れる音、鳥たちのさえずり、木々の手触り、山にかかる霧。手付かずの自然に包まれ、移ろいゆく季節を近くに感じながら、その全てを手で、耳で、目で、肌で感じる時間は、心を浄化し、何者でもない私という存在を包み込んでくれます。
ホテル雲井の裏にそびえるのは、大雪山系の雄大な山々。 旭岳をはじめとして、2000m級の山が連峰にも及び、日本の中でもトップクラスに広い国立公園として認定されています。
柱状節理の岩肌や大雪山から降りる雲。
ホテル雲井は、この幻想的で荘厳な景観と、森羅万象に抱かれる原始の北海道の姿を留めたこの街の空気感を随所に織り込み、層雲峡を訪れたゲストがこの街の個性を体感できるような、そんなホテルを目指しています。
ホテル雲井は、古くからこの層雲峡という地で営まれてきた温泉旅館をリノベーションして生まれたこじんまりとした宿です。そのため、館内には当時の趣が随所に残っており、新しさと懐かしさの両方を感じられる空間となっております。
私たちは、大きな温泉旅館のような特別なおもてなしや露天風呂、豪華な食事はご用意できないかもしれません。
けれど、ただの北海道らしさではなく、その中の層雲峡というまちが持つ気配にフォーカスした、この場所でしか経験できない滞在を皆様にご提供したいと考えています。
ウェルカムドリンクでご提供する養生茶や、ラウンジスペースでご用意している自家製の果実酒など、原始の森のなかであなたの心と体を見つめ直すための滞在をご提供いたします。