遠く宮島を望む緩やかな斜面の高台に「庭園の宿 石亭」は佇む。部屋から垣根越しに臨む瀬戸の島々が心を洗ってくれる。庭に降り立てば背後には山水画さながらの山々の稜線が広がり、心躍らせてくれる。その山水画に描かれた山裾にある四阿と庭の風情をそのまま実現したのがこの宿だとわかり、膝を叩く。「されば自身もこの宿にありて仙人さながらに過ごすべきもの也と。」(或る客人)山にかかる雲を追いかけ、海面に輝きを増す月明かりに盃を酌み交わし、朗らかに語りつくす一夜でありますように。友よ妻よ。