JR静岡駅で下車し、
15分ほど繁華街を歩くと見えてくる
「泊まれる純喫茶ヒトヤ堂」。
旧東海道沿いにある人宿町に2018年にオープン。
歩道には東海道の表示があったり、
むかしは多くの旅人で賑わった町だったそうです。
ヒトヤ堂は、
もともと喫茶店として使われてきた築50年のかわいらしい建物と、
純喫茶文化を受け継いだ小さなゲストハウス。
扉をあけるとどこか懐かしい喫茶店の雰囲気の中に珈琲の香りが広がっています。
カウンター席といくつかのテーブル席には、
コーヒー目当ての常連さんや買い物袋を下げた地元の方、
宿泊中の旅行者が思い思いに寛いでいました。
珈琲はめずらしいサイフォンで淹れるスタイル。
水が上がって珈琲になって下がっていく様が、見ているだけでも楽しいんです。
大正モダンのレトロな雰囲気が落ち着く店内。
1階はおもに喫茶スペース、2階と3階は宿泊者用のスペース、
全体的にゆったりとした時間が流れています。
喫茶店奥のラウンジスペースにはレンジや冷蔵庫が備えられ、
棚には読書欲をくすぐられる本の数々。
旅関連の本や小説にまじってちびまる子ちゃんの漫画も(舞台は静岡なのだそうです)。
奥の扉をあけた先は宿泊者専用のスペース。
階段手前には共有の洗面所とシャワールームがあり、
吹き抜けの階段を上がった2階にはMixドミトリーと個室があります。
3階は新しく出来た女性専用のフロア。
清潔でノスタルジックな空間が広がります。
泊まってみて驚いたのは、
ボックス型のドミトリーは他の宿に比べて広々としていて、
入り口には大きなバックパックも楽に置けるスペースがあります。
女性用ドミトリーは立ち上がってもなお余裕のある天井の高さ。
さて、部屋に荷物をおろしたら静岡の町へ。
近所には「静岡おでん」が堪能できるおでん横丁や天ぷら屋さん、
安倍川もちの老舗までさまざまなお店や見どころがあります。
また宿のレンタルサイクルで海辺や登呂遺跡、
駿府城公園、浅間神社、芹沢銈介美術館、
サウナの聖地と呼ばれる「しきじ」へ足を伸ばしてみるのも楽しそうです。
温暖な気候でのんびりあたたかな人と町、静岡。
ヒトヤ堂での滞在でひとときの休憩。
近所を散歩すれば、思わぬ旅の発見や出会いがあるかもしれません。
泊まれる純喫茶 ヒトヤ堂
photo&text by Keita Asada