2018年6月、”島と旅人を繋げたい”をコンセプトに島の繁華街である中央通りの真ん中にOPENしたカフェ兼宿。
50年前に建ち、30年前までは人気のあるお土産屋さんだった建物。30年以上誰も使わず、荷物も残ったままだった建物をリノベーション。
ここには都会の生活のような便利さはありません。
ただ、穏やかな時間が流れており、人懐っこい島民の笑顔に囲まれ、海しかない島のゆったりした贅沢な時間を楽しんでください。
島の人たちは自然の時間に合わせて生活をしています。
宿をOPENするきっかけになったのは、20数年ぶりにヨロン島にUターンしてきたオーナーが久しぶりに帰ってきた与論島を見て、商店が少なくなっていることに驚愕を覚えたのも一つ。
帰ってきた与論島では、観光業もまだ盛んで、島内ガイドを探していたので、島内ガイドを始めた。観光業に関わるとよく聞く話が”宿が足りない”という言葉。
数十年島を離れ、学校にいけたのも仕事に夢中になって、島外で働けたのも島の人たちの支えがあったからだと帰ってきて改めて実感をしていた。
島内で困っていることを何か少しでも手助けしたいと思っていた。そして、中央通りにまた人が歩き、商店街が活性化するシステムがないかと考えていた。でも、何ができるかわからない。今できることだけ困ったという言葉に対応できるものだけやっていこうと思っていた中。
お土産さんを掃除して事務所として借りて欲しいという話をもらった。
事務所として借りるには、現状の事務所での不便もなく、逆に建物が離れることで、不便性が増すなということと、借りるなら、宿が足りないという声もあるし、宿を作ろうと決めた。
宿を何のために作りたいか。宿をすることによるメリットは何か。周りへのデメリット、影響を考えた。
・島の人が元気なる場所
・観光の人がもう一度与論島に訪れたいと思うための場所
・ガイドとして島の歴史を伝えていきたい。
・島の現状で不便に感じていること(朝OPENしている店がない・コーヒーのテイクアウトができるお店がない・電源/ネットが完備しているお店がない...etc)
・近所の宿にとってもメリットになることはないか。
・ひとり暮らしの老人が増えてきた中でサポートできることはないか
・商店街、島の経済にプラスになること
・観光の人たちが楽しんでもらえるよう島のネットワークを活かしてコンシェルジュをしよう
・できるだけ長く島に滞在できるようシンプルに
・お客様同士での出会いの場作り
自分が欲しいもの、どうやったら、この通りに人がまた笑顔で歩く人たちが増えるかを想像しながら作った。
自分自身の大工の練習も兼ねて。昔から働いてくれている大好きな大工さんから技術を学びたいということもあり、大工さんと私自身も一緒に一から勉強しながらリノベーションをした。
現状では、3店舗ある宿。コンクリート造、木造、鉄骨、それぞれ作りが違い、リノベーションの仕方も違うことを學ことができた。
何より、宿をOPENした時の近所の人たちの優しさにとても感動し、また、懸念していた近所の小さい頃からお世話になっている宿の人たちの反応も、逆に応援してくれている優しさに感謝し、改めて、島に恩返しを自分ができることはできる範囲で必死に返していきたいという決意を再度させていただけた。
当店は、繁華街の中にあり、飲食店も海も近い。また、スーパー、信用金庫なども近く、バスもお店の目の前で停まってくれることもあり、カフェのお客様は島民の高齢者のかたなどもとても多い。
そのおかげで宿泊している人たちもどこに行くにもアクセスが便利で、島のおじさまやおばさまの話、方言などもとても飛び交っている中で時間を過ごすことができ、島の人の明るさを横みみにとてもゆったりする時間を過ごすことができます。
早朝に漂ってくる向かいのお豆腐屋さんのお豆腐のいい香り。
お隣のクリーニング屋さん。仕事に向かう人たちの車が通る姿を見ながらの朝食。
終日空いてるカフェでは、一日中ぼーっとしていると島の人たちの時間の流れがとても見えてくる。
笑い声が溢れるカフェ兼宿でゆっくり過ごしてみませんか。