大阪府・能勢町にて、古い民家を自らの手でリノベーションし再生した1日2組限定のお宿です。
「自然と共に作る暮らし」の自由な空気をおすそ分けしたいというのがコンセプトです。生活を作る、場所を作る、という意味で、アトリエという名前をつけました。
ゲスト様には母屋である二階建ての一軒家「アトリエの家」と小さなロフト付きの「トナリの離れ」をお貸ししています。
どちらも一棟貸切なのでリラックスして過ごすことができます。
「アトリエの家」にはキッチンがあります。能勢の道の駅「栗の郷」には新鮮な食材がたくさん。その近くには能勢唯一のローカルスーパーもあります。お宿からは車で10分ほど。ぜひ活用して暮らすように過ごしてみてください。
能勢には飲食店もございます。能勢ならではのお店で夜ご飯を楽しまれるのもオススメです。
当宿は朝ごはんの材料付きです。包丁いらずで朝食が作れます。
暮らすような滞在を楽しんでいただきたく、このような形でご提供しております。
バートナリは19時からオープンします。お宿から数百メートルのところにある秋鹿酒造のお酒を飲み比べできたり、自家製シロップを使ったカクテルや、自家栽培の栗を使ったホットの甘いお酒、ノンアルコール類、コーヒーなど揃えております。もしかすると地元の方とコミュニケーションを楽しめるかもしれません。
夜も深くなる頃。思い思いの時間を、ゆっくりと過ごしてください。
映画で盛り上がるのもよし、読書に溺れるもよし。
受付にはボードゲームの貸し出しもあります。
ホットミルクを片手にちょっと夜更かしも楽しいものです。(牛乳はサービスでお部屋に置いています)
「トナリの離れ」には、とても珍しい薪のお風呂があります。湯船のお水はこの地域で自慢の天然水を使用しております。ちょっと贅沢にのんびり過ごしてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2016年、自然豊かな里山エリアである大阪府豊能郡能勢町の歌垣山の麓で、長らく空き家で朽ちかけていた民家を、Uターンで帰ってきた私たち夫婦が自らの手で少しずつ直し、住まいを作りました。
元々能勢出身の2人ですが、便利な生活に憧れたり、夢だった海外で暮らしたりと、それぞれ20代は地元を振り返ることはありませんでした。
しかしこの空き民家再生を機に、否でも"自然"と向き合うことになったのです。そのきっかけは、荒れた裏山でした。
能勢町は古くから栗の産地であり、栗の王様と呼ばれる「銀寄せ栗」発祥の地です。そしてアトリエトナリがある倉垣村は銀寄せ栗の起源となる母樹があります。私たちはその事を初めて知り、栗林が広がっていたいつかの景色を見てみたいとの思いでコツコツと山の再生も進めていきました。
栗山を蘇らす為に行ったのは、杉の木の間伐でした。昔、人間の手によって植えられた杉の木。財産になると信じて懸命に植えられましたが、今ではそのまま放置され間伐もされず山は真っ暗になっていました。私たちはこの木を伐採するだけでなく何かに活用したいと思い、始めたのがエネルギーとしての活用でした。
まず薪のお風呂である「五右衛門風呂」を作りました。焚き口や煙が通る部分に関しては地元のプロの方にお願いし、それ以外は全て手作りです。
五右衛門風呂とは、直接火で炙るのではなく、沢山のレンガが蓄熱し、それによってお湯が温められます。火が消えた後の保温能力はとても高く、夏なら前の日の夕方に焚いたお風呂に翌日の朝も気持ちよく入ることができます。
湯船に使用しているお水は、元々あった井戸を利用しています。この辺りは水が美味しく、ミネラルウォーターや酒蔵があります。そんな貴重な天然水を薪で沸かしたお風呂はなかなかありません。
薪ストーブはこれで2代目です。1代目の時は、知識がなかったせいでススだらけになって冬を過ごすこともありました。現在のストーブは、ここの暮らしに合ったもの。豪華ではありませんが、ファッションではなく暮らしの道具として、私たちを支えてくれています。
古いものの価値を、リノベーションを通して知ることができました。
初めは便利にすればするほど良いと思っていましたが、住みながら直していくうちに気持ちも変わっていきました。古いものや古い知恵は、大きなサプライズをくれます。
何にもない田舎でも、他では得られない刺激や喜びに出会えるのです。
仕事柄、来客が多く家を見てもらう機会がよくありました。その時よく耳にしたのは「泊まってみたい」という言葉でした。だんだんと自分たちだけでこの生活に満足するのは勿体無いのかも・・と思うようになり、誰にでも来ていただけるお宿を営むこととなりました。
今までは小さな離れをお貸ししていましたが、母屋をお貸しすることでより里山の民家での滞在を味わっていただけると思います。
また、コツコツと自分たちの暮らしに合わせて作ってきたお家だからこその味わいもあります。
アトリエトナリは夫の小早川勝平と妻の真美が営むお宿です。
勝平は働く車の整備士として国内外で長く勤めていたこともあり、新しく何かを作ることよりも修理することに興味がありました。この生活はそこが基盤となっています。
真美は挿絵を主とするイラストレーターです。この宿のデザイン全般は真美によるもの。飾ってある作品の多くは真美の制作物です。
現在は2人で栗農家としても活動しています。目指すのはいろんな名を持つ"百姓"。
何足もわらじを履いて、季節と共に暮らしを営むことが目標です。