京都の中でも陰と陽が合わさる場所。
京都の銀閣寺や哲学の道にほど近い場所に、「うたひ」という宿をオープンしました。
京都で最初に日がのぼる東山は
女性らしいなだらかな曲線をえがきがら北から南へと連なっています。
その一つ、大文字山と呼ばれる如意ヶ岳の麓、銀閣寺から程近い場所に、この宿はあります。
SIONEという工藝ブランドの店。
その店の奥にあるこちらの宿は、大切に選ばれた工芸品やアートワークを楽しめる空間です。
付近の大文字の送り火で有名な「如意ヶ嶽」や比叡山からの恵みであるこちらの宿の中庭には、近年美しい井戸がひかれ、それでいただくお茶はみずみずしく心を満たしていきます。
大切にしているコンセプトは、「感性のひらく宿」
ここに滞在し、光の移り変わりや、風の音、鳥のさえずりを聞く。
お茶をいただき、その器を五感で楽しむ。
すこし言葉を綴ったり、静かに目を閉じてみる。
そうしている間に、自然と感性がひらかれていく、
そのような場所を目指しました。
実はこの物件は、昔、旅館でした。
旅館とは、日常から離れて、英気を養える場所。
自分の日常に戻った時に、あたらしい感性のひらいた自分として、
自分の人生を楽しめるような場として、ここは存在するべきではないか、
そのように思いました。
設計は、空間設計士の水村真理子さんと一緒に、
100年の記憶のある空間と、そこに満ちる気配を大切にしながら、自分と向き合える落ち着きのある、優しい空間を目指しました。
テーマカラーを、ピンクベージュにし、オリジナルの照明や家具も優しい手触りの曲線を描いた無垢のもので仕上げています。
【水の間 /寝室】
「水の間」と名付けられた寝室は、水瓶に浮かぶような静謐な空間。
周りを白石で囲まれた浮遊感を感じるベッドは外へのデッキへと繋がり、
1日を通して風の音、光の揺らぎを感じながら、生命の優しさにひたりながらゆったりとした時間をすごしていただけます。
【風の間 /居間】
「風の間」と名付けられた居間は、落ち着いた畳敷きの和室に、日本をはじめとした、工藝の技術の調度品を用いた空間です。
窓をあけると風が通り、畳、障子、珪藻土、和紙などの日本の素材に落ちる光を
楽しみながら、創作力を優しく起こしてくれます。
うたひでは、ご宿泊されるだけでなく
身体や心を心地よく在るべき姿に調整するプログラムを用意しています。
【東洋医学を元とした、鍼灸プログラム】
自分の体質を知り、鍼灸や薬草をはじめとした植物に心身が癒されるオリジナル鍼灸コース「たゆたう」もご用意しています。
この土地で育てた薬草で、体を温め、体調をやわらかに調整していきます。
【器金彩絵付けのワークショップ】
日本の器の歴史を学びながら、手を動かし絵付けを体験する。
没頭する時間をもつことで、創造性豊かな「今」を味わうことができます。
日本建築の木漏れ日の陰影を感じながら、自らの生まれた意味を紐解くような
感性のひらく時間をすごしていただけます。
暮らしと旅のあわい。自分と他者のあわい。
ハレとケのあわい。
うたひの宿の周辺には、美しい風景と文化がたくさんあります。
愛すべき素敵な場所がたくさんあります。
工藝のショップやパン屋さん、地元の神社や銀閣寺などのお寺、五山の送り火で有名な大文字山をはじめハイキングできる山や、哲学の道など桜並木など、
歩くだけで感性のひらいていく場所。
美しい風景と文化が、暮らしと旅のあわいにあり
日常と非日常が重なる時間をすごしていただけます。
陰と陽のあわいにある、本来の自分。
静かな場所で、自己の存在、
そしてその役目を思い出していただける。
生まれ出て 分裂しながら また根源とつながっていく
という音をあわせて名付けられた「うたひ」。
水の流れのようにめぐりめぐりて
心をひたひたと豊かさで満たしていような時間をおくり
自分と繋がれる滞在になりまように。
心よりお待ちしております。