「旅と裸足」は1日1組限定の古民家宿
甲州と佐久を結ぶ「甲州佐久往還」(現在の国道141号線)の旧道に面したかつての宿場町、長澤宿。
そこに残された元寺子屋をリノベーションし、八ヶ岳ガストロノミーレストラン「Terroir愛と胃袋」のオーベルジュとして、1日1組限定の一棟貸しスタイルの古民家宿に変身させました。
かつては寺子屋だった趣きを残したり削ぎ落としたりしながら、古くて新しい空間に仕上げていきました。
改装時、寺子屋だけに屋根裏から墨で書かれた半紙がたくさん出てきたことから、薄墨から漆黒に近い「墨」の色をテーマカラーに。
原稿用紙やレターセット、らくがき帳など「書きもの」をご用意し、書くことを楽しめることも大切にしています。
コンセプトは「サスティナブル田舎ステイ!」
建物、備品、しつらえなど宿づくりにかかわるアーティストや職人、専門業者の方などは、山梨ローカルであることにできるだけこだわりました。
寝具やリネン、アメニティなど肌に触れるものは、天然素材やオーガニックコットン、草木染めなど自然のものをセレクトすることで、心地の良い寛ぎの時間としっかりとした眠りの時間を大切にしたいと考えました。
プラスティック製品をできるかぎり使わないことにも配慮し、バンブー歯ブラシや櫛、共有歯磨き粉、蜜蝋ラップなどを用意。宿で出た生ごみはコンポストで堆肥化しています。
また、薪ストーブや五右衛門風呂、かまど、囲炉裏など、昔からつかわれてきたカーボンニュートラルな木を燃料とした火の魅力も楽しんでいただけます。
いにしえからの知恵を見直したり、古民家の風情を感じながらも、未来につながることを意識した旅の提案と考え、「サスティナブル田舎ステイ!」をコンセプトにしています。
「Terroir愛と胃袋」は、八ヶ岳のゆたかな自然の恵みと大切に育てられた食材を主役に、フレチベースのイノベーティブなお料理を提供する予約制レストラン。旅と裸足のナナメ前にあります。
旅と裸足のはじまりは、Terroir愛と胃袋をオーベルジュにしたいというところからはじまっています。ですので、レストランでのお食事を楽しんでいただいた後、ご宿泊いただくプランをスタンダードにしています。
もちろん、Terroir愛と胃袋でのお食事だけでもご予約を承っております。http://www.aitoibukuro.com
営業時間 Lunch11:45-14:00/Dinner 17:30-20:30
定休日 月・火曜日・水曜日Lunch
「café yusan」はハンドドリップで淹れるコーヒーをピクニックとイートインの両方で楽しめるほか、旅と裸足でも扱っているアメニティや八ヶ岳メイドの食品や作家たちの作品、フェアトレード雑貨、量り売りなどを取り扱っているちいさなショップです。
カゴにコーヒーとビスケットを入れたピクニックセットを持って、長澤の棚田を散歩していただく棚田コーヒーをオススメしています。
営業日時 金・土・日の11:00-17:00
なんでもない田舎の風景
長澤は字のごとく、山と山にはさまれたその間を長い沢が続く。そんな地形のなかにある集落に、旅と裸足、Terroir愛と胃袋、café yusanはあります。
その集落を下のほうへと降りていくと、かつては美しい棚田だった水田が広がります。その多くは耕作放棄地になってしまっていますが、最近は若い農家さんが畑として蘇らせてくださったり、春になると菜の花がたくさん咲いてくれます。
棚田の先には「道の駅 南きよさと」。春、4月初旬からゴールデンウィークまで、約500匹の鯉のぼりが空を泳ぐ風景は、ここ長澤の唯一の名物です。
この時期は絶好の散歩日和ですが、鯉のぼりのいない、なんでもない田舎の風景もまた、実になんでもなくいいものなのです。
水路を流れる水の音、山にはさまれ広がった空、虫や鳥たちの姿、髪をなでる風……。
このどこかで見たような、なつかしいような、どこにでもありそうな、なんでもない風景をわたしたちは愛していて、ぶらぶらとこのあたりを散歩していると、内から現れるなにかがあったりするのです。
ぜひ、ぶらぶらとしていただけたらと思います。
ときを忘れ、風に遊び、誰かを思い、ときを泳ぐ。ーーサスティナブル田舎ステイ!
旅と裸足で過ごす時間が、そうあってほしいと願っています。ぜひ、いらしてください。